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材料シミュレーション

フェーズフィールド法⑫:2元合金の凝固

はじめに 前回までは単体の溶融金属が固化する「純物質の凝固現象」についてシミュレーションしてきました。しかしながら、鋳造や溶接といった現実の工業プロセスにおいては、多数の金属からなる合金を取り扱うことが多いです。 そこで今回より2つの金属元...
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フェーズフィールド法⑪:デンドライトを解く【MATLABコード付き】

はじめに 前回はデンドライト構造形成のメカニズムについてまとめました。デンドライト構造は過冷却状態において、化学的駆動力のゆらぎによって生じた微小な突起構造が熱的に安定化しようと発達した結果生じる結晶構造でした。そこで今回は化学的駆動力のゆ...
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フェーズフィールド法⑩:デンドライト形成のメカニズム

はじめに 前回は純物質の凝固現象を解き、デンドライド構造が現れることを確認しました。ただ、なぜこのような複雑な形状が生じるのか、定性的なメカニズムがいまいち理解できていない気がします。そこで今回は改めて、デンドライト構造の一般的知識と形成メ...
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フェーズフィールド法⑨:純物質凝固を解く【MATLABコード付き】

はじめに 前回は純物質凝固モデルとして以下の温度場を考慮したアレンカーン方程式と相変化による潜熱を考慮した非定常熱伝導方程式を得ました。\begin{align}\frac{\partial \phi}{\partial t}&=-M_{\...
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フェーズフィールド法⑧:純物質凝固のモデル化

はじめに 前回は以下の界面異方性を考慮したアレン-カーン方程式についてシミュレーションしました。\begin{align}\frac{\partial \phi}{\partial t}&=-M_{\phi}\left \tag{1}\\a...
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フェーズフィールド法⑦:界面異方性を解く【MATLABコード付き】

はじめに 前回は以下の界面異方性を考慮した2次元アレン-カーン方程式を導出しました。\begin{align}\frac{\partial \phi}{\partial t}&=-M_{\phi}\left \tag{1}\\a(\thet...
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フェーズフィールド法⑥:界面異方性のモデル化

はじめに 前回は2次元アレン-カーン方程式を解き、各パラメーターの影響についてまとめました。これらのパラメーターは定数を取り、組織成長は等方的なものでした。しかしながら、デンドライド成長のような非等方的な組織成長を記述するには界面の異方性に...
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フェーズフィールド法⑤:2次元アレン-カーン方程式を解く【MATLABコード付き】

はじめに 前回記事では、1次元アレン-カーン方程式を解き、各パラメーターが解に与える影響について考察しました。一方で、デンドライド成長などで考慮される界面異方性は2次元以上で生じるエネルギー効果です。そこで今回は2次元アレンカーン方程式を実...
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フェーズフィールド法④:1次元アレン-カーン方程式を解く【MATLABコード付き】

はじめに 前回記事では、アレンカーン方程式に現れる係数(界面モビリティ\(M_{\phi}\)、エネルギー障壁\(W\)、勾配係数\(a\))と物性値(界面幅\(\delta\)、界面エネルギー\(\gamma\)、界面モビリティ\(M\)...
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フェーズフィールド法③:物性値との関連付け

はじめに 前回記事ではアレン-カーン方程式\((1)\)で用いられるギブスの自由エネルギー\(G\)が化学的自由エネルギー密度\(g_{chem}\)、ダブルウェルポテンシャル\(g_{doub}\)、勾配エネルギー密度\(g_{grad}...