材料シミュレーション

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フェーズフィールド法⑯:1次元で2元合金の凝固を解く【MATLABコード付き】

はじめに 前回までの記事で、WBMモデルによる2元合金の凝固に関する支配方程式の導出しました。今回はこれらを用いて、まずは1次元でシミュレーションを行い、解の性質について調査したいと思います。2元系合金の凝固に関する支配方程式 WBMモデル...
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フェーズフィールド法⑮:WBMモデル②

はじめに 前回はWBMモデルにおけるアレン-カーン方程式を導出を行いました。今回は濃度場の時間発展を記述するカーン-ヒリアード方程式の導出を行います。濃度場に関するカーン-ヒリアード方程式の導出 WBMモデルにおいて、濃度場の時間発展は以下...
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フェーズフィールド法⑭:WBMモデル①

はじめに 2元系合金の凝固に関する基本的なモデルとしては、1991年頃にWheeler、Boettinger、McFaddenらによって提案されたWBMモデルが知られています。WBMモデルはアレン-カーン方程式とカーン-ヒリアード方程式を連...
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フェーズフィールド法⑬:正則溶体近似

はじめに 前回記事では、2元合金の凝固の導入として正則溶体近似とWBMモデルの概要ついてまとめました。中でも正則溶体近似は合金のギブスの自由エネルギーを与える最も基本的なモデルです。本記事では、正則溶体近似を用いて2元合金のアレン-カーン方...
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フェーズフィールド法⑫:2元合金の凝固

はじめに 前回までは単体の溶融金属が固化する「純物質の凝固現象」についてシミュレーションしてきました。しかしながら、鋳造や溶接といった現実の工業プロセスにおいては、多数の金属からなる合金を取り扱うことが多いです。 そこで今回より2つの金属元...
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フェーズフィールド法⑪:デンドライトを解く【MATLABコード付き】

はじめに 前回はデンドライト構造形成のメカニズムについてまとめました。デンドライト構造は過冷却状態において、化学的駆動力のゆらぎによって生じた微小な突起構造が熱的に安定化しようと発達した結果生じる結晶構造でした。そこで今回は化学的駆動力のゆ...
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フェーズフィールド法⑩:デンドライト形成のメカニズム

はじめに 前回は純物質の凝固現象を解き、デンドライド構造が現れることを確認しました。ただ、なぜこのような複雑な形状が生じるのか、定性的なメカニズムがいまいち理解できていない気がします。そこで今回は改めて、デンドライト構造の一般的知識と形成メ...
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フェーズフィールド法⑨:純物質凝固を解く【MATLABコード付き】

はじめに 前回は純物質凝固モデルとして以下の温度場を考慮したアレンカーン方程式と相変化による潜熱を考慮した非定常熱伝導方程式を得ました。\begin{align}\frac{\partial \phi}{\partial t}&=-M_{\...
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フェーズフィールド法⑧:純物質凝固のモデル化

はじめに 前回は以下の界面異方性を考慮したアレン-カーン方程式についてシミュレーションしました。\begin{align}\frac{\partial \phi}{\partial t}&=-M_{\phi}\left \tag{1}\\a...
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フェーズフィールド法⑦:界面異方性を解く【MATLABコード付き】

はじめに 前回は以下の界面異方性を考慮した2次元アレン-カーン方程式を導出しました。\begin{align}\frac{\partial \phi}{\partial t}&=-M_{\phi}\left \tag{1}\\a(\thet...