材料シミュレーション

合金の状態図計算③:固溶体のギブスの自由エネルギーの定式化

はじめに  前回記事では二元系合金の異相平衡状態において、自由エネルギー曲線の共通接線を見出すことで、どのような相状態が実現するか導けることを示しました。この際、自由エネルギー曲線は下に凸な関数と仮定しグラフ化しましたが、具体的な数式の形は...
材料シミュレーション

合金の状態図計算②:異相平衡状態

はじめに  前回記事では、1モル当たりのギブスの自由エネルギー\(G\)は成分(組成)\(i\)のモル分率\(x_{i}\)、化学ポテンシャル\(\mu_{i}\)を用いて以下のように書けました。 \begin{align}G=\mu_{1...
材料シミュレーション

合金の状態図計算①:ギブスの自由エネルギーと化学ポテンシャル

はじめに  物質の状態図を読み解くことは、その物質の振る舞いを予測するうえでとても重要です。また新しい材料を設計する際も状態図を用いることで、所望の性質や特性を持つ材料の設計が容易となります。状態図(特に合金の状態図)を数値的に計算する方法...
流体シミュレーション

CFD年表を作る

はじめに  作者が学んだCFD知識を年表としてWEB版エクセル上に随時まとめます。学習中のため、不十分かもしれませんが、適宜更新していく予定です。 更新履歴 2023/09/10:初稿 参考文献 大渕 真志, “あるポンプ設計者のCFD利用...
流体シミュレーション

有限体積法の基礎:時間高次精度化【MATLABコード付き】

はじめに  前回記事では多項式近似により、以下の空間高次精度化された界面物理量\({}^L\! q_{i+\frac{1}{2}},{}^R\! q_{i+\frac{1}{2}}\)を得ました。 \begin{align}{}^L\! q...
流体シミュレーション

有限体積法の基礎:空間高次精度化【MATLABコード付き】

はじめに  前回は1次元非粘性Bugers方程式について、1次精度の空間離散化とRoeリーマンソルバを用いて計算しました。今回はさらに高次精度の空間離散化方法についてまとめます。 有限体積法における空間高次精度化  前回記事では、セル\(i...
一問一答

一問一答:流体シミュレーション基礎~乱流モデル編~(全8問)

はじめに  「一問一答」シリーズでは作者が日々の学習の中で覚えておきたいと思った知識をメモ帳代わりにクイズ形式でまとめています。「クイズをスタート」をクリックすると問題が始まります。 項目単位記号壁面からの距離\(\rm{}\)\(y\)壁...
流体シミュレーション

有限体積法の基礎:リーマンソルバ【MATLABコード付き】

はじめに  前回は1次元非粘性Bugers方程式について有限体積法で離散化し、以下の物理量\(\bar{q}_{i}\)に関する時間発展式を得ました。 \begin{align}&\bar{q}_{i}^{n+1}=\bar{q}_{i}^...
流体シミュレーション

有限体積法の基礎:差分法との比較

はじめに  流体の方程式の離散化には差分法や有限体積法が用いられます。特に有限体積法は多くのソルバへ採用されており、シミュレーションを行う上でその理論的背景を知っておくことは重要です。そこで今回から有限体積法の基礎についてまとめていきます。...
流体シミュレーション

移流方程式の解法③数値流束による保存型表示【MATLABコード付き】

はじめに  前回は様々な高次の線形スキームを実装し、クーラン数違いでの評価を行いました。しかしながら、解くべき方程式は移流速度が定数となる線形方程式に限定していました。流体シミュレーションで用いられるNS方程式は移流速度が変数となる非線形方...